リコーグループのIT領域を支える中核企業として、デジタルサービスの開発からグループ全体の基幹システムの提案・設計・運用まで幅広く担っているリコーITソリューションズ(以下、RITS)。2030年に向けては、エンタープライズEIMの成長を通じて、顧客のDXに貢献するとともに、リコーグループのデジタルサービスを牽引し、市場へ展開していくビジョンを持っています。
同社は、2030年の営業利益目標達成に向けた社内DXの一環として、本社機能の生産性向上を軸に「業務の属人化」からの脱却と「手作業」の削減が急務となっていました。
今回、MOCHITECが提供する「AI Readyコンサル」による、AIを前提とした業務整備と設計を通じて業績管理における属人業務プロセスの改革に挑戦。取締役副社長の木村様と、本プロジェクトを統括された経営管理部長の礒野様に、導入の背景から初期成果、そして今後の展望について詳しくお話を伺いました。
本プロジェクトの背景
課題
- 業績管理業務がExcelでのデータ収集・加工など手作業中心で、工数がかかっていた。
- グループ共通システムと自社事業独自の基幹システムが混在、データ連携が複雑で整合性が取りづらいことが、ボトルネックとなっていた。
- 上記課題を解決する上でのAI知見が部署内に無く、着手が遅れていた。
課題に対するMOCHITECのソリューション
- まずはAIを導入する以前の「AI Ready Method」に基づきDX構想とデータの整備に着手。
- 課題解決後の他業務への展開を見据えたPoCを通じて、改革の方向性と構想書を策定。
- 伴走支援後の現場レベルで自走できるよう、導入後の業務フロー提案を実施。
成果
- 4カ月弱の短期間でAs-Is、To-Be策定からデータ分析基盤の構築までをスクラムで実施。
- DWHの設計構築を通じて、データ整合性を保ち業務自動化のPoCを実施。
- 上記より今後のシステム実装・運用構築により、業務量の30〜40%を削減する見込み。
- 他部署のデータとも連携させることで、全社的な業務改善への横展開も視野に。
2030年の営業利益目標が起点
まず"本社機能"にメスを入れることで改革を
Q.
改めて今回のプロジェクトに取り組まれた背景や課題について、教えてください。
RITS 木村様(以下、木村様)
弊社では、2030年に向けた経営戦略の中で、営業利益目標を掲げています。
それを達成するために、以前から「稼ぐ力」の強化に取り組んできましたが、付随して本社機能の生産性も高めて、全社に占める本社機能の割合を小さくしていく必要があると考えています。これが「本社機能プロセスの改革」を始めた背景です。
本社機能において一番の課題は、業務に手数がかかりすぎていることでした。「データ収集・加工・レポート作成」を基本的に人手で行っており、イレギュラーなことも多く、稼働している工数が膨らんでいる状態でした。
本来、業績管理の理想形はITを活用し、ボタンひとつで確認ができ、人手が介在しないことです。しかし弊社では、システム環境の複雑さがあり実現できていませんでした。
特に、データの整合性が取りにくく、システム連携がボトルネックになっていたため、最優先で取り組むべき課題として今回の「業績管理業務」を選定しました。
決め手は「少数精鋭」への安心感と、期待に見合うリーズナブルさ
Q.
数ある選択肢のなかで、MOCHITECの「AI Ready コンサル」に決めた理由を教えてください。
木村様
最初のきっかけは、イベントでたまたまMOCHITECの営業である相川さんとお会いし、お話をしたことです。すごく「熱い人」だな、というのが第一印象でした。
MOCHITECさんは、リファラル採用で優秀なエンジニアやコンサルタントを集めて組織づくりをされていると伺いました。各メンバーのバックグラウンドや実際の業務内容をお聞きし、非常にレベルの高い人材が揃っていると感じました。
依頼する前の段階からすでに「安心感」がありましたが、上田さんにお会いし、本件についてお話ししたことで、その安心感が「確信」に変わり、依頼を決めました。
あわせて、期待する水準に対して費用が比較的リーズナブルであることや、小回りが利く点も評価しています。
今回の業績管理は、AIによる業務改革を前提としたAXテーマです。こうした案件を任せるうえで、MOCHITECさんにはAIの知見もあり、上記の理由も踏まえて非常に良い選択肢だと判断できたため、他社との比較検討は行いませんでした。
RITS独自の業務フローの中で、どのようなAXソリューションを見出すかという格闘
Q.
取組の中で特に印象に残っているシーンはありますか?
RITS 礒野様(以下、礒野様)
プロジェクトを通して経営管理における「SSOT」という考え方が不可欠であることを知り、改革の方向性やHowの部分が一気に開けたことです。もし、自分たちだけで今回のプロジェクトに取り組んでいたら、今回の改革の方向性や推進を定めることは難しかったと思いますが、SSOTという考え方を基に自社のメンバーも軌道に乗ってくれたことが良い印象として残っています。
また、2週間スプリントというスクラム開発の枠組みの中で改善を進める手法は、コーポレート部門では珍しく「新鮮な体験」としてチームの財産になった点は良かったです。
木村様
あとはキックオフ懇親会の際に上田さんが、想像以上にビールをずっと飲んでいたのがすごく印象に残っています(笑)
Q.
取組を進めていく上で困難だった点があれば教えて下さい。
MOCHITEC上田(以下、上田)
私の立場から申し上げますと「業績管理」という企業毎に違う業務プロセスの中で、業務フローと関連情報を「吸い上げる」ことが一番大変でした。
現場要望と組織/事業単位でのサイロ化された情報に対してソリューションを見出す点で、実際にRITSの中にがっつりと入り込んで、内部理解を進める必要があるプロジェクトでした。
礒野様
管理会計の一般的なスタンダードがある一方で、弊社では「組織と領域を別に見る」など独自の要望があるので、外部から見た際の理解や初期のヒアリングで苦労があっただろうなと思っています。
特に、通常のやり方以外のイレギュラー処理や詳細を隅々まで十分に伝えきれていなかったため、初期の効果試算で削減効果が過小に見積もられるなど、誤解が生じたことは反省点としてあります。
木村様
あとは業務フロー図やマニュアルもない中で、担当者が現場の要望に合わせて属人的にやり方を考えて対応してきたため、1カ月間に渡り連日ヒアリングを行って、業務を追う必要があったのも大変だっただろうなと思います。
Q.
上記の困難をどのように乗り越えましたか?
上田
まずは事細かに「情報をキャッチする行動を取る」というところしかなかったです。現場の各担当者様に毎日定例ベースでヒアリングを行い、1カ月は情報の整理と仮説を立てることに費やしました。
現場の担当者様においても、当該業務の実施目的や背景が十分に共有されていない部分があり、業務の必要性や位置付けが分かりにくい状況が見受けられました。業務の繋がりが見えづらい中で詳細を吸い上げる作業が非常にタフでしたが、そこは粘り強くやり切りました(笑)
礒野様
上田さんの取り組みに関して、補足的にはなりますが、そこまで知ろうとしなくても問題ないよという部分まで、アンテナを張りヒアリングを行っていただけた点もソリューションに繋がっていると思います。一層、弊社の業務解像度を上げて構想提案をしていただけた点で非常に助かっております。
「単なる業務コンサルではなく技術を押さえたAXコンサルとしてのアプローチができる外部サービスとしてMOCHITECは最適だと思います。」
木村様 業務量30〜40%削減の見込み。「外部とのAX共創」がもたらした変化
Q.
今回のプロジェクトで成果・変化はありましたか?
礒野様
業績管理のPoCでは構想提案により改革の方向性が見え、今後のシステム実装と運用構築により現状の見立てでは、30%〜40%の業務削減が見込めるようになりました。今回の仕組みが実現すれば他部署のデータとも連携して、全社的な業務改善に繋げられる見込みがあるので、将来的な波及効果も期待がされます。
Q.
今回初めてMOCHITECと協業をしてみたご感想も頂けますか?
礒野様
プロジェクトの進行において、上田さんには役割を超えて必要な業務にまで取り組んでいただきました。
業務プロセスの構想とAXというコンサルティングの役割が主でしたが、それ以外にもプロジェクトマネージャー的な役割を自ら積極的にフォローし、納期通りに仕上げるために必要な作業を直接ヒアリングするなどして進めてくれた点が大変助かりました。短納期の中で、優先度の高いタスクを確実に進めて頂いた点で、自社メンバーだけではやりきれなかった部分にも対応していただきました。
PoCで終わらせないデータ活用と全社展開へ
Q.
今後MOCHITECと取り組みたいことはありますか?
木村様
今後は他部署のAXにおいて、業績管理にとどまらず業務プロセスの見直しが終わった際に、DX/AXのパートナーとして協業をして頂けると良いなと思っています。業務プロセスは各部署で違いますが、システムや人の属性はだいたい一緒なので、協業していくうちにより勘所は深まっていくと思います。今後も一緒にやっていただき、より自社理解を深めていってAXのご提案を頂ければいいなと思っています。
Q.
今回のAX事例、データ活用を今後どのように発展させていく予定でしょうか?
木村様
事業本部が支援先のソリューションとして事例活用をし、発展していくことが望ましいです。Snowflakeをデータの分析基盤として整え、人事や経営管理での自社事例を蓄積した上で、弊社に顧客環境を任せてもらえるような方向性を目指しています。その際に、今回の立ち上げ部分はモデルケースとして、導入時の実行のスコープに盛り込みたいと思っています。そういった際に、貴社にもご依頼するなど今後のパートナーとしての役割分担もあると考えます。
上田
私が行ったことはデータを整えるという「AI Ready」の部分なので、PoCで終わらず分析や活用に繋げて、AIデータ基盤を経営に活かして頂くことが何より重要だと思います。データ基盤を作るだけではなく、分析活用までを行い、PDCAサイクルを回すことが次のフェーズとなりますので、引き続き注視しながら支援を行っていきたいです。
最後に:MOCHITECのAX支援を検討している企業に向けたメッセージ
Q.
MOCHITECの「AI Ready コンサル」の導入をオススメするとしたら、どのような企業でしょうか?
木村様
小工数でまず確認・検証するPoC実施や、単なる業務コンサルではなく技術を押さえたAXコンサルとしてのアプローチができる外部サービスとしてMOCHITECは最適だと思います。
業務プロセスの改革を生成AIやITを使って劇的に進めたいと考えているものの、全体を大幅にいきなり変えることはできないものの、「FDEサービス」としてまずは技術を押さえて業務プロセスに入り込み、ソリューション提案から実装まで一貫して任せられるような専門家を求めている企業にはお勧めします。
併せて、上記のようなスモールスタートののち、大規模な開発に発展する場合にはRITSとMOCHITECが役割分担して協力し合える体制を通じて、社会貢献をしていければいいなと思っています。
木村様、礒野様、貴重なお話をありがとうございました。
MOCHITECは、AI導入以前のデータ整備やAI活用のための業務プロセスの整備など「AI Ready」な状態にするための「AI Readyコンサル」から、実際のAI活用として「AI エージェント設計」、生成AIの評価やプロンプト性能の向上といったAX支援までワンストップで提供しています。
実際の対応事例も含め、お話をさせて頂きますので、少しでも興味を持たれましたらこちらよりお問い合わせを頂けますと幸いです。
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